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ありふれた祈り

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ペンネーム:有栖川結子











愛書家の楽園 THE LIBRARY AT NIGHT



“ようこそ書物の宇宙へ”





『図書館 愛書家の楽園』、

アルベルト・マングウェル著、白水社









THE LIBRARY AT NIGHT

by Alberto Manguel





 アルベルト・マングウェルの

『図書館 愛書家の楽園』を

きっかけに、このブログを

始めました。本のことにつ

いてはもちろん、映画・美術・

音楽など様々な情報を発信

していければと思っています。






〈今回の本〉



『ありふれた祈り』、ウィリアム・ケント・クルーガー著、
ハヤカワ文庫
2016年

1961年、ミネソタ州の田舎町。
13歳のフランクは、牧師の父と
芸術家肌の母、音楽の才能が
ある姉、聡明な弟ちともに暮ら
していた。ある夏の日、思い
がけない悲劇が家族を襲い、
穏やかだった日々は一変する。
悲しみに打ちひしがれるフランクは、
平凡な日常の裏に秘められていた
事実を知ることになり。
エドガー賞をはじめ4代ミステリ賞
の最優秀長篇賞を独占し、「ミス
テリが読みたい!」で第一位に
輝いた傑作。





ORDINARY GRASE
by William Kent Kruger
英語ペーパーバック
2014年

 この物語が、四十年後の回想
であることには心底驚いた。
四十年後のフランクは、今なら
あの時のことが理解できる、
と当時を振り返るのだ。子供
時代の出来事というのは、
移ろいやすく、また非常に危険
をはらんだ出来事も起こり得る、
子供という線ギリギリのところ
にある悪しきものの存在に
小さな心を痛めることになる
場合もある。
 まして、家族が文句なしに
優秀な人々ばかりだったと
したら、その中でのフランク
は一体どんな気持ちだった
のだろうか?読みながら
しきりとそんなことを考え
ていた。

 本書は2016年に刊行さ
れたようだが、わたしが
出会ったのは2022年に
なってから。去年の11月
25日の段階で第3刷が
出ていて、この作品は
エドガー賞をはじめと
する世界最高峰の文学
賞で4冠、2016年版ミス
テリが読みたい!(海外篇)
第1位に輝いたそうだ。
新年早々、こんなすごい
作品と出会えるなんて
とても嬉しい。

 文句なしに素晴らしい家庭
であったはずが、実はその
裏に秘められたある事実が
存在した。こういうストーリーは、
〝すぐそこにある危機〟を
しみじみ感じることになるだろう。
また、子供の頃の切ない記憶
というのは、大人になっても、
いつまでも心の片隅に古傷と
なって残るものだ。そんなもの
を抱えた大人が一体この世には
どれほどいるだろうか。









ブログ後記



 新年になってもまだクリスマス
イルミネーションが残るパリ。
とても不思議な雰囲気だが、
なんだかとても楽しそう。きっと
その国にはそれぞれ色々な
事情があり、独特の楽しみ方が
存在するのだろう。
 日本は今、どうなのか?新たな
コロナの危機、人々の心は不安に
包まれ、おまけにとても寒い冬と
きている。こんな時は、あたたかい
お茶でも飲みながら、ホッと一息つく
時間を大切にしたいと思う。早朝
ジョギングも再開した。血圧の状態
を見ながら、無理なく運動を取り入れ
た生活をおくりたいと思っている。
今年はどんな本との出会いが待って
いるのだろうか?今からとても楽しみ!
              有栖川結子

 

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わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い/人文的、あまりに人文的

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“ようこそ書物の宇宙へ”





『図書館 愛書家の楽園』、

アルベルト・マングウェル著、白水社









THE LIBRARY AT NIGHT

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始めました。本のことにつ

いてはもちろん、映画・美術・

音楽など様々な情報を発信

していければと思っています。






〈今回の本〉



『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』、
レベッカ・ソルニット著、左右社
2021年1月

イントロダクション

マザー・オブ・オール・クエスチョンズ

1 沈黙は破られる
沈黙に関する簡潔な記録
Ⅰ 群島を囲む海 Ⅱ 男はみな孤島ー男性の沈黙
 Ⅲ 沈黙と檻 Ⅳ 洪水に飲み込まれた都市

反乱の年

フェミニズムー男たちの到来

七つの死の一年後

レイプ・ジョークをめぐる短くも幸福な近況

2 ブレイキング・ザ・ストーリー
五百万年来の郊外から逃れて

鳩が飛び立ったあとの巣箱

女が読むべきではない八十冊

『ロリータ』について説教したがる男たち

加害者が行方不明

女巨人




The Mother of All Questions
by REBECCA SOLNIT
英語ハードカバー
2017年



BLACK DAHLIA
by James Ellroy
英語ハードカバー
1987年



『人文的、あまりに人文的
古代ローマからマルチバー
スまでブックガイド20講+α』、
山本貴光・吉川浩満著、
本の雑誌社
2021年1月

はじめに

1 クレイジーな時代?

2 「好奇心」の効果

3 自由意志は存在しない?

4 歴史を論じる

5 エッセイの精神

6 幾何学の精神と繊細の精神

7 古代ローマ時代の人生相談

8 幸福に関する「なに」「いかに」「なぜ」の問い

9 インディーズでサヴァイヴする

10 人文書のなかの人文書

11 今日から使える人文書

12 民主政を問い直す

13 能動でも受動でもない世界との関わり方

14 シンギュラリティ論議は現代の神話?

15 天文と人文の出会い

16 思考はデザインとともにある

17 共感を増幅する贈与

18 AIの危機、人間の危機

19 戦争とは、誤訳や食い違いの
極端な継続にほかならない

20 サイコロからはじまる知のグランドツアー

青春の読書篇

あとがき





 HAPPY NEW YEAR 2022

今年もよろしくお願いいたします。



 去年の暮れ、あるノンフィクションの本
を探しに街の大型書店を訪れた。目的
の本は、社会 ジェンダー・フェミニズム
のコーナーにあったのだが、立ち読み
してみると期待したほどの内容ではなく、
その時に思いがけなく目についたのが、
『わたしたちが沈黙させられるいくつか
の問い』だった。今までレベッカ・ソルニット
の本はけっこうたくさん読んでいたが、新し
い本が刊行されているとは知らなかった。
早速お買い上げ。
 不思議なことに、その日は人文書や社会
関係の本と縁があるらしく、大型書店の後に
立ち寄った個性派書店兼雑貨店で思いが
けず『人文的、あまりに人文的』に出会った。

 家に帰って早速二冊を読もうとワクワク
していたのだが、思いがけず血圧急上昇
という悲劇にみまわれた。《ええっ!155/95?
160/95?という日が続いた》。毎朝、早朝
ジョギングをした後に血圧を測っていたので、
かなり下がった状態の数値で安心していた。
のちに筋肉痛がひどくて、走らない日に血圧
を測ったら、思いがけず高い数値。そんな
こんなで、正月早々、台所に立つ以外は
寝込んでしまった。ズキズキ頭痛やめまい
の中、ようやく昨日あたりから少しずつ読書
を再開できるようになった。

 まずレベッカ・ソルニットの本。この本の中で、
「女が読むべきではない八十冊」が俄然面白い!!
二、三年前に『エクスファイア』誌が「すべての
男が読むべきベスト八十冊」というリストを作成
した話。フラナリー・オコナー『善人はなかなか
いない』、ジョン・スタインベック『怒りの葡萄』、
ジャック・ロンドン『野生の叫び声』、ウラジミール・
ナボコフ『ロリータ』、ジャック・ケルアック『路上』
など、かつて読んだことのある本がずらり勢ぞろい。



チャールズ・ブコウスキー『ポスト・オフィス』が
紹介されていたが、まだ未読。ぜひ読んで
みたいが、古書の中でもけっこうな高値が
ついている。


 レベッカ・ソルニットは、「女が読むべき
ではない八十冊」というリストもないのとい
けないのでは?と問いかける。彼女の「ノー・
リード」リストに名を連ねている作家に、ヘミン
グウェイの名が!今までけっこう気に入って
いてせっせと彼の小説は読んできたのだっ
たが。そのヘミングウェイとフィッツジェラルド
に関する文章もなかなかおもしろい。
ジェイムズ・エルロイの『ブラック・ダリア』も
登場。読んでいる間中ワクワクしっぱなし!

 さて、次なる本『人文的、あまりに人文的』
については、パッと書名をみただけでは
ふだん人文書を読まない人たちには敷居が
高いイメージかもしれないが、このブックガイド、
読み進めてみると、考える楽しさ、意見交換の
おもしろさ、幸せ、哲学、人文学など、次々に
登場する興味深い内容に強く惹きつけられて
しまう。人文的思考がグッと身近になるブック・
ガイドとされているが、まさにその通り。
ちっとも敷居など高くない。「今まで読んだこと
のないジャンルに挑戦してみる」という試みは
新しい世界の扉を開いてくれるので、ぜひ
Tryしてみてほしい。

 今年は、いつものようにミステリー、ホラー、
スリラー、探偵小説など大好きなジャンルの
本ももちろんのこと、久々に人文書へと
気持ちが向いているので、無理しない
程度に楽しんで本の扉を開いてみた
いと思う。












ブログ後記


 「衝動買い」の誘惑。それは
あまりに甘美で強い吸引力を
持っている。このケーキおいし
そうだな、と思って眺めると、
いてもたってもいられなくなり、
思わず衝動的に食べてしまう。
わたしは、たとえダイエット中
でも、好きなものはあまり我慢
せず、食べた分だけまた運動で
減らせばいい、と考える。本も
衝動的に買った本が、思いが
けずおもしろくて、すっかり虜
になってしまうケースもある。
 今回ご紹介した二冊は、ま
さに衝動買いの賜物だが、
〝当たり〟の本だった。新年
から新たな世界の扉が開いた
ような空気に包まれている。
めでたし、めでたし。
           有栖川結子


ミトンとふびん

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ペンネーム:有栖川結子










愛書家の楽園 THE LIBRARY AT NIGHT



“ようこそ書物の宇宙へ”





『図書館 愛書家の楽園』、

アルベルト・マングウェル著、白水社









THE LIBRARY AT NIGHT

by Alberto Manguel





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『図書館 愛書家の楽園』を

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音楽など様々な情報を発信

していければと思っています。






〈今回の本〉



『ミトンとふびん』、吉本ばなな著、新潮社
2021年12月20日

夢の中
SINSIN AND THE MOUSE
ミトンとふびん
カロンテ
珊瑚のリング
情け嶋






 今年の夏、何年ぶりなのか、懐かしい
『キッチン』のPremium Coverを買って読んだ。
吉本ばななさんの本は、主に20歳代の頃たく
さん読んだ。それからしばらくの間、彼女の
本はご無沙汰だったが、最近発売された
『ミトンとふびん』に出会い、「何ということ
もない話。大したことは起こらない。登場
人物それぞれにそれなりの傷はある。
しかし彼らはただ人生を眺めているだけ。
長い間、そういう小説を書きたかった」
という言葉に触れ、急速に惹かれていった。
彼女の小説で急速に惹かれた経験は、昔、
『アムリタ』を読んだ時だったと思う。(惹か
れた、を通り越して、涙が止まらないほど
の感動を味わった)。

 『ミトンとふびん』を読んでいて痛感した
のは、平凡な生活は、それを維持する
ためにけっこうエネルギーを消耗する、
ということ。久々に〝心の琴線に触れる〟
体験をじっくり味わった。「魔法のかかった
奇妙な深み、いつかどこかで誰かの心を
癒す」。まさに癒された。そして心が静かに
なってゆくのをひしひしと感じた。ばななさん
の小説は、心の奥深くまで浸透する何か
ふぁっとしたあたたかさが感じられてとても
心地良い。

 年末になって今年一年を振り返った時、
様々な思いが頭の中を過ぎった。《あの時、
こうすれば良かった》などと後悔することも
あるが、過ぎてしまった時を塗り替えるこ
とはできない。今、この瞬間自分が何を
考え、どのように行動するのか。それしか
ない。ならば過ぎ去ったことをくよくよ考え
るのはやめにして、未来のことを色々と夢
見てみたい。

 



BANANA DIARY 2022-2023 甘やかし
2021年12月10日

 BANNA DIARYもうれしい出会いとなった。
手帳と言葉が一つになった、ヒーリング・
ダイアリー。ばななさんの言葉は、深く胸
に染み入る心地。そんな言葉たちに元気
をもらいながら、来年の1年間、このダイ
アリーと付き合うことが今からとても楽しみだ。












Cafe' Stories
「記憶の中の場所」   文/有栖川結子

あらすじ
日本人作家のユキと15歳年下の夫でイギリス
人のトム。トムはアカデミア美術館のダヴィデ像に
そっくりな男。二人の間に生まれたジュリアスは、
フィレンツェへ彫刻の勉強のため留学し、その後
もずっとフィレンツェに住み続けていた。ひょんな
ことから自分のアトリエを持つことになったジュリ
アスだが、彫刻の世界で成功を手にした仲間の
アダムにくらべると、ひどく地味な生活だった。
彫刻への情熱が才能という壁にぶち当たり、
父親同様、ダヴィデ像そっくりのジュリアスは、
苦悩の日々をおくるのだった。




 ジェームズとミローナの三人で
過ごすクリスマスはいつになく楽し
いひと時となった。ジェームズは、
用意の良いことに、ミローナへの
クリスマスプレゼントを用意して
いた。僕は彼女の好きなアクア
マリンの石を使ったネックレスを、
彫金の先生に教えてもらいながら
手作りした。
 ジェームズのプレゼントは、三つ
の不思議な形のチャームとそれに
似合うゴールドの繊細なチェーン
だった。チャームの一つ目は、ピ
エロが履いていそうな不思議な
形の黄緑と赤で彩られた木靴を
デザインしたもの、二つ目は、妖艶
な雰囲気の眼が光る美しい馬の
頭部、そして三つ目は、アクアマリン
で美しいスカイブルーの石。それは
〝ナイルの涙〟と名づけられていて、
涙の形をしたものだった。もちろんミ
ローナは、大好きなアクアマリンの石
をじっと見つめ、深いため息をついた。
「不思議ね。この石を眺めていると、
まるで心の奥底まで深く何かが染みて
くる心地がするわ。有難う、とても嬉しい!」。
ことのほかその石が気に入った様子
のミローナは、いつまでもそれを眺め
ていた。
「これは、つい最近仕事でエジプトへ
行った時に土産物屋で見つけたもの
なんだ。僕は女性にプレゼントをする
予定はなかったけれど、このアクセ
サリーは、すごく心に引っかかるも
のがあって、つい買ってしまった」
ジェームズは、ちょっと嬉しそうに
その時のエピソードを色々話して
くれた。僕は話が弾んでいる二人
を見つめながら、ミローナがとても
喜んでいる姿を眩しく感じていた。
 彼女は、去年と同じように手編み
の黒とグレーの手袋指ありと指なし
の二種類をプレゼントしてくれた。
中には手紙が添えられっていて、
そこには、「今年は、マティアスの
分も作ったの。でも彼は忙しいから
なかなか会えなくて。あなたから
渡してください」と書かれていた。
そしてジェームズには、神秘的な
ブルーグレーの上品な薄手の手
編みマフラーだった。「こんなもの
しか思いつかなくて」と恥ずかし
そうに差し出すミローナだったが、
ジェームスはそのプレゼントをと
ても気に入った様子だった。
 カフェでは、名物の香り高いク
リスマスブレンドというコーヒーと、
イタリアのクリスマスケーキパン
ドーロを食べた。「僕は甘いもの
には目がなくて」とジェームズは
いつになくはしゃいで食べていた。
 ジェームズとは、フィレンツェに
留学してきた頃からの長い付き
合いだが、こんな風に子どもの
ようにはしゃぐ彼を見たのは、
初めてのことだった。《彼はい
つもどこか寂し気な瞳をしている
けれど、こんな風に子どものよう
にはしゃぐ姿を見せることもあっ
たんだな。なんだかホッとした》。
ジュリアスは、クリスマスの飾り
に包まれたダヴィデのレプリカ
をそっと眺めながら、微笑ましい
ひとときに酔いしれていた瞬間
を、つい昨日のことなのに、懐か
しく思い出していた。
                つづく





ダヴィデより


 私はジェームズに偏見を持って
いたのかもしれない。恐れ、疑って
ばかりで、彼の〝真実の眼〟を見
逃していた。ジェームズも人の子だ。
けして心から悪い奴ではないのかも
しれない。ただ彼を見ていると、無性
に切なくなって、この胸がしめつけら
れる心地になるのだ。








ブログ後記


 来年も今年に続き、「陽だまり
の中で」が一年を通してのテーマ
になりそう。ぽかぽかと暖かい陽
だまりの中で何かをする。真冬でも、
ほんの少しそんな暖かい陽だまりに
包まれる時間が存在する。その瞬間
を大切にしてゆきたいと思う。
皆様、今年一年お疲れ様でした。
良いお年をお迎えください。
              有栖川結子

クリスマスの本あれこれ

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愛書家の楽園 THE LIBRARY AT NIGHT



“ようこそ書物の宇宙へ”





『図書館 愛書家の楽園』、

アルベルト・マングウェル著、白水社









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〈今回の本〉



『星新一ショートショートセレクション
クリスマスイブの出来事』、星新一、
絵 和田誠、理論社
2003年11月初版、2021年9月第16刷

けちな願い/人質/波状攻撃/副作用/秘薬と用法/
運命のまばたき/尾行/欲望の城/ある商売/
逃走の道/クリスマス・イヴの出来事/
協力的な男/依頼/紙片/なぞめいた女/
記念写真/福の神/暗示/沈滞の時代/
ある戦い/ねぼけロボット




『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』、
ポール・オースター、訳 柴田元幸、絵 タダジュン
2021年10月25日

【新品未使用】Bleu Bleuet 麦わら帽子 ストローハット

『クリスマスの殺人 クリスティー傑作選』、
アガサ・クリスティー著、早川書房
2021年11月15日

チョコレートの箱/クリスマスの悲劇/クィン氏登場/
バグダッドの大櫃の謎/牧師の娘/プリマス行き
急行列車/ポリェンサ海岸の事件/教会で死んだ男/
狩人荘の怪事件/世界の果て/エドワード・ロビン
ソンは男なのだ/クリスマスの冒険




『サンタクロースの贈物
クリスマス✖️ミステリー・アンソロジー』、
新保博久編、河出文庫
2021年11月20日

青いガーネット アーサー・コナン・ドイル
警官と賛美歌 O・ヘンリー
飛ぶ星 G・K・チェスタトン
クリスマスの悲劇 アガサ・クリスティ
自動聖歌隊員の証言 ジョルジュ・シムノン
クリスマスと人形 エラリィ・クイーン
クリスマスに帰る ジョン・コリア
死んでもCM 戸坂康二
サンタクロースの贈物 加田伶太郎
(a Xmas story)
クリスマス・イヴの出来事 星新一
メリイ・クリスマス 山川方夫
マッチ売り 半村良
最後のクリスマス 筒井康隆






 クリスマスというのは、12月25日が
やって来る前の約1・2ヶ月あまり、
クリスマスの賑わいが楽しいのだ、
そんな気がする。本で言うと、まず
今年の9月に街の大型書店児童書
コーナーで星新一の『クリスマス・イヴ
の出来事』を見つけてとても驚いた。
星新一のショートショートに夢中に
なったのは、中学生の頃がはじまり
だった。それ以来、色々な作品を
読んできた。でもこのクリスマス
ストーリーは知らなかったなぁ。



 次は10月刊行の映画「スモーク」でお
なじみの『オーギー・レンのクリスマス・
ストーリー』が、タダジュンの絵入りで。
しかもとても小さなサイズ。ポール・
オースター作品ではとても印象深い
ものの一つで、映画をDVDで何回か
繰り返し観賞したが、いつまでも心
に残るストーリーだ。この記事を書い
ていたら、また無性に映画が観たくなった。

 そして11月15日、クリスマスの豪華な
イラスト入り箱仕様の『クリスマスの殺人』が
刊行された。クリスティー作品は大ファンで
長く読んでいるのだが、冒頭の「チョコレート
の箱」など、ハッとするようなものも収録され
ていて、クリスティの選りすぐりの作品を楽し
める。

 続いて11月20日。街の書店で偶然新刊
の棚に並んでいた『サンタクロースの贈物』。
最初はアーサー・コナン・ドイルの「青い
ガーネット」で始まり、なんとO・ヘンリーは
「賢者の贈り物」ではなく「警官と賛美歌」、
そしてジョルジュ・シムノンの「児童聖歌隊員
の証言」ではメグレ警視がサンタ役を務める
趣向が!!その他に半村良の「マッチ売り」、
筒井康隆の「最後のクリスマス」など。世界の
名探偵と極上の推理を一冊にしたワクワク
するクリスマス✖️ミステリーアンソロジー。

 このようにして、クリスマス当日が来る前
からクリスマス本を4冊も購入、クリスマス
商品を目の前にしてあれやこれや考え、
想像し、ワクワクする前段階を今年も存分
に楽しんだ。以外とクリスマス当日はひっそり、
普段通りに過ごしているような感じだ。
 







Cafe' Stories
「記憶の中の場所」   文/有栖川結子

あらすじ
日本人作家のユキと15歳年下の夫でイギリス
人のトム。トムはアカデミア美術館のダヴィデ像に
そっくりな男。二人の間に生まれたジュリアスは、
フィレンツェへ彫刻の勉強のため留学し、その後
もずっとフィレンツェに住み続けていた。ひょんな
ことから自分のアトリエを持つことになったジュリ
アスだが、彫刻の世界で成功を手にした仲間の
アダムにくらべると、ひどく地味な生活だった。
彫刻への情熱が才能という壁にぶち当たり、
父親同様、ダヴィデ像そっくりのジュリアスは、
苦悩の日々をおくるのだった。




 今年のクリスマスは、ひょんな事から
姿を現したジェームズと、そして大親友
のミローナという不思議な組み合わせ
になった。場所はクリスマスの飾り付け
の中にダヴィデ像レプリカがたたずんで
いる名物カフェへ。この場所はすごい
人気で、カフェの席を予約しておいて
ほんとうに良かった、とジュリアスは
ホッと胸をなでおろした。
「すごい人だな、ここはいつもこんなに
混んでいるのかい?」
ジェームズは、落ち着かない様子で
周囲をキョロキョロ見回していた。
「普段はそうでもないけど、クリスマス
は特にダヴィデのレプリカとクリスマス
の飾り付けが人気で人が集まるんだよ」
「ところで、もう一人来るって言ってた
けど、まだなのかい?」
「ああ、ミローナか。いつも遅れがち
なんだ。学校の先生をしているから、
今日は子供たちの世話で忙しくして
いるんだと思う」。
ミローナという名前を聞いて、ジェームズ
は何かにピンと反応したような顔をした後、
口元に小さな笑みを浮かべた。《マティ
アスが気に入っているという女だな》。
 まもなく、いつものように駆け足で
ミローナがやって来るのが見えた。
「ごめんなさい、すっかり遅くなって
しまって」。
彼女は暖かそうななグリーンのセーター
に、去年ジュリアスが贈ったグリーンの
ペンダントをつけていた。
「あら、こちらは?」
「ああ、僕の友達の一人でジェームズ。
こちらはミローナ」。
二人を紹介しながらジュリアスは、同じ
年頃の三人がそろったというのに、どこ
かアンバランスな空気が漂っていること
に気づいた。



ジェームズの妖しい瞳が、キラリと金色
に輝いた。見事なブロンドの髪、まるで
彫刻のような一瞬の隙もない顔、ジェー
ムズが微笑みをたたえて女性を見つめる
と、思わず足がすくんでしまい、くらくらと
めまいがするほど動揺するのが常だが、
ミローナはなぜかとても冷静だった。
「ジュリアスに、こんなに素敵なお友達が
いたなんて驚きだわ。はじめましてミロー
ナです、よろしく」。
ジェームズは、ミローナがほとんど動じない
姿を苦々しく思った。自分の魅力に傾かない
女などいない、そう過信していた心を大きく
乱されたような気がして、思わず苦笑する
しかなかった。《ぼくが一番嫌いなタイプだ。
容姿も服装も地味、素朴という名に優越感
を感じていそうで、まるで聖母マリア像の
ような表情をしている。ジュリアスは、こんな
女と友達なのか?》。
ともかくクリスマスなのだから、その場は
取りつくろうことにしょうとジェームズは
努力した。ジュリアスは、そんなジェームズ
の心などつゆ知らず、三人で楽しいクリスマス
のひとときを過ごせれば、と心弾ませるのだった。
                        つづく

ダヴィデより


波乱の幕開けのような組み合わせ、
しかもクリスマスの日に。私はひっ
そりと我が分身の無事を祈るしか
なさそうだ。恐るべしジェームズ!!






ブログ後記


Merry Christmas

このところ、寒い日が続いている。
しばらく体調を崩していたので、
早朝ジョギングの他は、ベッドの
中で休むか、読書三昧の日々
だった。
 久しぶりに街の書店を訪れて
みると、洋書も和書も目まぐるし
く新しい本が並んでいた。目が
キラキラ輝きっぱなし。




 先週からAXNミステリーで海外
ドラマ「ABC殺人事件」を観ていて、
昨日が第3話(最終話)だった。名
探偵ポワロ役がデヴィッド・スーシエ
ではなく、ジョン・マルコヴィッチという
ところも興味深いが、実際に見ていて、
すっかりその別世界に魅了されてし
まった。
 久しぶりにThe ABC Murdersを開いて
読み始めている。大好きな本を手にして、
その文章に触れている時間が、今のわたし
には一番の〝至福の時〟と言えるのかも
しれない。今日も本たちを撫でさすりながら、
愛書家道を行くわたしであった。
                 有栖川結子

映画 パワー・オブ・ザ・ドッグ

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ペンネーム:有栖川結子














愛書家の楽園 THE LIBRARY AT NIGHT



“ようこそ書物の宇宙へ”





『図書館 愛書家の楽園』、

アルベルト・マングウェル著、白水社









THE LIBRARY AT NIGHT

by Alberto Manguel





 アルベルト・マングウェルの

『図書館 愛書家の楽園』を

きっかけに、このブログを

始めました。本のことにつ

いてはもちろん、映画・美術・

音楽など様々な情報を発信

していければと思っています。






〈今回の本〉



『パワー・オブ・ザ・ドッグ』、トーマス・サヴェージ著、
角川文庫
2021年8月



The Power of the Dog
by Thomas Savage
英語ペーパーバック
2001年



※ネタバレ注意




映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
2021年制作、ニュージーランド・オーストラリア合作
監督:ジェーン・カンピオン
出演:フィル(ベネディクト・カンバーバッチ)
    ジョージ(ジェシー・プレモンス)
    ローズ(キルスティン・ダンスト)
    ピーター(コディ・スミット=マクフィー)
一部劇場にて11月19日公開、
12月1日NETFLIX配信スタート




 一部劇場で11月19日から上映開始
となった映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」。
ほとんどの劇場が、夕方から一回だけと
いうペースでの公開で、迷ったけれど、
とうとう時間を作って観賞した。映画が
始まってすぐに広い土地とその場所を
吹き抜ける風のシーンを全身で感じた
瞬間、《ああ、無理しても観賞しに来て
良かった!!》と大感激。はじめから
すっかりこの物語の舞台となる場所に
降り立ったような気分に包まれていた。
その後も、様々な登場人物が広い土地
に佇み、風を感じるシーンがあり、また
自然の情景がいきいきと伝わってくる
心地だった。既に原作で凄い衝撃を
経験済みであったが、この作品を映画
にしたら一体どのようになるのだろうと、
期待と好奇心でいっぱいだった。

 そして何と言っても、フィル役の
ベネディクト・カンバーバッチが
登場した時点で、すっかり圧倒
されてしまった。この役はこの人
のためにある、と思えるほどぴっ
たりはまっていた。
 快活で賢い兄フィルと地味な弟
ジョージは牧場を共同経営する
裕福な兄弟。そんな二人の前に、
不幸な結婚を経験しているローズが
現れ、ジョージと結婚したことで、それ
まで保たれていた調和が、大きく乱れ
てゆく。ジョージが結婚したローズに、
「ひとりじゃないっていいもんだな」
というセリフはとても印象的だ。
 フィルは今までジョージと二人で築き
上げてきた世界が大きく変わってゆく
ことに耐えられず、義兄さんと呼ぶ
ローズを「俺はあんたの兄さんじゃ
ない」と撥ねつける。《嫌いなものは
嫌いだ!!》というフィルの悲痛な
心の叫びが聞こえてきそうだった。

 原作の中でも出てくるのだが、
ローズが夫の買ってくれた贈り物
のグランドピアノで練習をしている。
何度も間違えてしまい、なかなか
うまく弾けない。そのうちにいつし
か彼女のピアノにフィルのバンジョー
の音が重なるようになる。それも見事
なメロディを聴かせるのだ。次第に
苛立ち、義兄の嫌がらせに耐えきれ
なくなるローズは、アルコールに溺れ
るようになる。こういったバトルが
延々と続くと、人間の「嫌いな対象を
撃退するために、とことん酷い仕打ち
を続ける執念」の恐ろしさに思わず
震え上がってしまう。
 トーマス・サヴェージの文章自体、
人間の心の奥底をえぐり出すような
ところがあり、人間の業の深さを実感
せずにはいられない。




 映画の中で、ローズの連れ子
ピーターが夏休みを利用して牧場
に来たことをきっかけに、物語に大
きな変化が生まれる。執拗にローズ
へ嫌がらせをしていたフィルが、純粋
な少年の姿を目の前にして、次第に
自分がしていることの罪深さに気が
つき始めると同時に、いつしかピーター
と心を通わせるようになる。
 フィルが川で全裸で入浴していると、
何気なく散策をしていたピーターが
ある小屋で一つの箱をみつける。
そこにはまさに男性専科の本が・・・。
生々しく映し出される写真を眺めて
いるうちに、ピーターの心は今まで
知らなかった世界を見て震える
ほどの驚きに包まれる。愕然とし
ながら、その本をそっと元の箱へ
しまう。何か秘密の箱を開けてし
まったような、艶かしくとても印象的
なシーンだ。

 その後、外へ出たピーターは、川で
入浴しているフィルに見つかってしまう。
聖域を侵された心地のフィルは、思わず
「出て行け!」と叫ぶ。このあたりのシーン
には、フィルの極端にローズを嫌う理由や
彼の性にまつわる謎が秘めやかな匂いと
なって漂っている。この出来事の後、次第
に周囲から馬鹿にされていたピーターへ
関心を持ちはじめるフィル。彼の心にどんな
気持ちが芽生えたのか?気がつくと、ピー
ターに乗馬を教えてやり、彼のためにロープ
を編むようになっていくフィル。こんなふうに、
頑なだった心が、少しずつ誰かと心を通わせ
るようになるシーンを見ていると、《悪人と思わ
れている人にも実は良心が存在し、それが
時折、垣間見える瞬間が確かにあるのだ》と
感じる。はたしてフィルは、どこで自分の過ちに
気づくのだろうか?そして人間は、悩み、傷つき、
様々な困難を乗り越えながら、少しずつ成長し
てゆく。

 そして驚愕のラスト!原作のラストに向
き合った時も、震えるほどの感動でしばらく
その興奮が続いた。映画のラストは淡々
と進行し、フィルが謎の死を遂げた後、
棺桶を選ぶ弟ジョージ、フィルの遺体が
映し出され、その死因について「詳しくは
解剖して見なければわからないが、あ
れは炭疽病だ!」と分析する医師の
言葉にも、ジョージは「兄貴は危険な獣
の皮になど手を触れたりしない」と言う。
計画を実行したピーターをおいて誰一人
真相を知るものはいないまま、フィルは
この世から消滅してゆく。
何とも凄い映画を観てしまった。観賞後
もしばらく、寒い帰り道を一人歩きながら、
映画の余韻にずっと浸っていた。






ブログ後記

ベネディクト・カンバーバッチ演ずるフィルの
強烈な印象は、深くわたしの心に
刻まれ、いつまでも記憶に残ること
だろう。


 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』との出会いは、
偶然の賜物だった。この作品の強烈な
印象が忘れられず、もっとトーマス・サ
ヴェージの本を読んでみたくなった。
色々探してみたが、邦訳版は『パワー・
オブ・ザ・ドッグ』だけのようで、洋書も
入手できる本がかなり古いようだ。
映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」をきっ
かけに、もっとサヴェージ作品の邦訳
版が刊行されるといいなぁ。
               有栖川結子



2001年
英語ペーパーバック
トーマス・サヴェージの処女小説


英語ハードカバー
1998年
トーマス・サヴェージ最後の作品



英語ペーパーバック
2001年